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村田諒太、王座奪取ならず。

金メダリストから世界チャンプへ。日本中の誰もがヒーローのサクセスストーリーをこの目で見届けられると信じて疑わなかった5月20日。夢は叶わなかった。チャンピオンへと続く一本のストーリーを丁寧に紡いでいく様を、これほどまでにじっくりと共有できることは滅多になかっただろう。しかし、誰もが描いていた第一章のエンディングは信じたくない残酷な結末となった。それは俺達のような無責任な外野にとってではなく、何よりも村田選手自身にとってだ。結局、俺達は主人公がチャレンジャーであることを忘れ、いつの間にか全てを成し遂げることのできるヒーローに祭り上げてしまっていたのだ。終盤の4ラウンドは祈りにも似た思いと共に。

名もない多くの人にも夢はあり、エンディングのコントラストも様々だ。ただ、そこには常にドラマがあり、いつも静かに続いていく。

明日も朝はやってくる。胸が張り裂けそうだぜ。

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